佐東正浩公式ブログ

元議員秘書の経験と起業経験を活かしてブログを書いていくことにしました。

役所も人でできている。

佐川前国税庁長官の証人喚問を経て、答弁ミスが起きた要因として徹夜続きの作業であって事を丸川議員の質問に対する答弁で吐露した。

 

“ 佐川氏「丁寧さを欠いた理由には、当然、お叱りを受けると思いますが、当時、本当に局内、私も含めて、連日連夜、朝までという日々でございまして、本当に休むこともできないような、月曜日から金曜日まで毎日ご質問いただいている中で、そうした余裕はなかった。お叱りを受けるのは重々承知でございますが、全くそういう余裕がなかったというのが、実態でございまして、申し訳ございません」”

 

働き方改革を進める一方で行政の働き方が変わらないことは大きな問題である。森友問題のような特殊案件がなくとも、議会中は役所で働く人に大きな負担をかけている。それは質問通告だ。

 

2016年10月4日には民進党の階猛氏が4日午前に行われる衆院予算委員会の集中審議があったのだが出したのは同日の午前0時だったことで大きな問題となった。その後も野党の質問通告の時間は改善されておらず、今回の佐川氏の答弁でも負担の重さが明らかとなった。

 

先日、文春オンラインが質問通告の遅い野党議員に確認したところ、次のような返答があったようだ。

"「事前にレクはしてもらっているので、役所に負担をかけたとは認識していない」、「全省庁が待機しているわけではないので問題はない」、「質問者と時間の決定が遅れていることに原因がある」といった反応があった。一方、「私への答弁準備で、職員の方々が深夜まで働いてくれていたとしたら申し訳ございません」と率直に責任を認める回答もあった。"

 

質問通告は法律などで定められているわけでなく、慣習や政党間の合意によってきめられている。与党は働き方改革のため、質問通告は質問日前々日の18時までに行うことで合意している。野党も役所に残業を強いて困らせることなく、質問通告を余裕もって行うべきである。

 

官僚を見下す文化も永田町では残念ながらなくならない。2017年12月22日に行われた民進森友学園加計学園疑惑調査チーム会合で公開された動画において、櫻井充(民進党)議員が官僚を「オマエ」呼ばわりして恫喝する姿勢がネット上では厳しく批判された。

 

しかしながら、佐川氏の証人喚問でも野党議員は怒声をあげており、こちらにおいても改善は見られない。怒鳴る行為自体がアジアでもヨーロッパでも危険な行為とされている。日本では国会議員が率先して怒鳴っている。この文化は国際化を遂げていくためにも失くさなくてはいけない。怒鳴らなければ人を動かせない指導者は無能である。

 

行政を批判することで支持を得てきた野党の面々は、どこか官僚を人として見ていないように感じる。自動販売機などと同じように、機械的な処理を行う機能とだけみてはいないだろうか。安倍政権の要である菅官房長官が昔、自身の秘書にも徹底して、「官僚も人である。顔を見て話をしろ。」と指導されておられたことを思い出す。民進党も元民主党の議員らで再度「新しい民主党」を作るそうでありますから、これを機に、役所の方々を大切にされることをお勧めいたします。